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モンスター

 見えない化けもの。これがやっかいなのだ。僕はいつもこいつと戦っている。僕はそれをモンスターと呼ぶ。
アメリカへ戻ってきて授業が始まった。この上級クラスでMedical Massage(メディカルマッサージ)を学ぶ。どんなことを学ぶか例を挙げてみる。Fibromyalogia Syndrome(繊維筋痛症)、Myastenia Gravis(重病筋無重力症),Raynaud's Syndrome(レーノルドシンドローム)など、症状を持つクライアントへの対処方法を学んでいる。講義と実技の二つのクラスがある。

 そして選択のクラスでは、Sports, Orthopedic Massage( スポーツ、整形外科用のマッサージ)を学んでいる。これは、月に一回週末、金~日にかけて行われる。午前8時半から午後6時までのきついスケジュールだ。

 再びアメリカへ来てからこの一ヶ月くらいは本調子ではなかった。ここ一週間は鬱気味だった。これが僕がモンスターと呼ぶもののせいだというのは明らかだった。

 メディカルマッサージの講義の授業中、僕は一切しゃべらない。いや、しゃべれない。授業中は、上に書いたような医学用語、生理学用語がたくさんでてくる。今学期から、講義の方の先生が変わり、パケットを全部作り直しているので、パケットが授業当日に渡される。予習ができない。3時間ある授業でずっと座って聞いているのは苦痛でしかない。頭は100パーセント働いている。この間、ずっと先生の話で理解できることを探し続けている。それでも40パーセントくらいしか分からない。何について話しているのかよくわからない。習って聞いたことのある単語も忘れている。とてもあせる。自分一人が分かっていない。そして、自分が誰よりも劣っていると感じる。孤独感がおしよせる。頭が疲れ果てて、普段の言葉もでてこなくなる。普段でもネイティブスピーカー達の会話に入っていくのは勇気がいるのに。そして人と話すのをさけるようになる。人を避ける。萎縮して縮こまる。
 
 そんな時に、先々週末には選択クラスのSports, Orthopedic Massageがあった。ハイレベルのこの授業には始終圧倒されてしまった。科学的に体の動きや仕組みを考えるのだけれど、それについていけない。話を聞く→語句の意味、話の意味を考える→整理整頓する→理解する。このステップが間に合わない。ここでも同じようなことがおこった。一人理解がついていかない。それが3日間朝から夕方まで続いた。

 これらのクラスでは個人的なことを話す友人はいないので、始終一人だというのも精神的に参る。異国の地での孤独感というものは、目には見えないけれど確かにそこにあり、心を締ギューとしめ付けられるような重黒いプレッシャーのようだ。異文化の中で、あたかも自分だけが間違いをしていて、そこに居てはいけないような気分にさせる。

 家では家で、別に悪いことをしたわけではないのだけれど、ちょっとしたことであるハウスメートに無視され続けていた。僕の言うことが全部否定的に取られるようになった。彼と顔を合わせるのも嫌になり、ここはここで落ち着ける場所がなかった。彼の不快感が、そのまま僕に入ってくるのだ。イライラして、落ち着けない。なんだろう、これは。自分はいつものようにしてるのに、彼の不快感が分かる。彼が僕のことを他のハウスメートや彼の友達に悪く言っているのも分かる。これは僕の思いこみではなかった。実際に、からかい台詞が、伝言を書くペーパーに書いてあったりした。なぜ言いたいことを直接言ってくれないのだろう。でも彼らアメリカ人の中での一人な環境は、僕を黙らせるのに十分な圧力を持っていた。それは自分の方が何か悪いことをしている気分にさせる。家で落ち着けないのは痛い。

 さらに選択クラスの週明けにはメディカルマッサージのペーパーテストがあったため、選択クラスの週末の夜は、帰ってきてその準備をしなくてはならなかった。この精神状態では、正直無理だと思った。

 精神の抵抗もあった。僕は卒業した1000時間のプログラムへ全エネルギーを費やした。頭脳が、今は新しい情報をこれ以上受け付けたくない、と言っているようだった。すでに忘れてしまった語句もたくさんあるのだ。自分がまだ次へ行く準備ができていないと感じた。チャレンジが前よりもずっと軽くなる、と考えていた自分がいたけれど、チャレンジの質はあまり変わらなかった。その自分がしていた期待へのギャップも大きかったのだろう。

 一方、体の方も準備が整っていないようだった。日本に帰っていたときに全く緊張しなくても良い環境に慣れていたからだ。日本滞在中3週間で、2キロ体重が増えていたのもその証だと思う。それで、緊張が張りつめる場所へ、緊張感のないまま逆戻りしたため、余計しんどかったのだろう。せっかく増えた体重だったけれど、3週間でまた2キロやせてしまった。プラスマイナスゼロだけどね。

 自分のモチベーションが最低のところに、こうした一連の出来事があったため、自分でコントロールの出来ないような鬱気味の状態になってしまっていた。学ぶことが苦に感じていた。セッションを誰とも持ちたくないな今は、と思った。自分の好きなことのはずなのに、ただ辛い、と思うこともあるのだなあという体験だった。 

 確かに自分が自分のシチュエーションを創り出している。僕が引き続きこの場所で学ぶと決めた。けれど、その中で、自分でコントロールできないと思いたくなるシチュエーションになる。見えないが、確かに存在するプレッシャーを体で感じる。その見えないモンスターは僕を黙らせるに十分な威力を持つ。僕の体重を減らす威力を持つ。自分を縮こませる。イライラ落ち着かなくさせる。人と会うことさえ避けたくなる状態にする。僕はこちらではシャイで黙っておとなしい日本人として映っているだろう。これも自分で創り出しているのだろうか。

 今はこうして長い文章を書けるところまできた。環境を変えるため、実際に行動にでている。ボディーワークを受け始めた。そこから自分の気持ちが徐々に上向いていったようだ。引っ越すことを決め、新しい場所を探し、引っ越し先も決まった。第一回目のテストもなんとか通過した。こちらで自分のオフィスを借りるため、手続きに入ろうとしている。

 自分のためにできるだけ時間をとり、今の自分に何が足らないかを見直すことで、自分を思い出してきた。自分の核となる、スピリットとのつながりを気にしていなかった自分に気づき、今はそのつながりを保つことを心掛けている。自分を見失わないためには、ずっと変わらない自分の本質とつながり続けることはとても大切だと思った。 

 アメリカへ来て以来、鬱気味になったのはこれで3度目だった。その状態はやっと抜け出した。それにしても何度体験してもあの気分には慣れない。自分が自分でないような感じのときに、あの見えないモンスターが一段と大きく、そして重い壁となってのしかかってくる。正直僕はこいつを怖れている。押しつぶされそうになる。

 人生というものが続く限り、チャレンジは続く。ここまでで一旦終わり、ということがない。どこまでも続くジェットコースターに乗り続けるようで、目が回る。時に気持ち悪くなる。この世界の限られた時間枠の中で、めまぐるしい変化についていかなくてはならない。はっきり言って、これは簡単なことではないぞ、と思う。

 アップダウンの激しいこんなジェットコースターに乗っていても、すぐに効く酔い止め薬があったらな~と思う。最高に気持ち悪いところまでいって、~って全部吐いてしまうまで治らないなんて、そんなのはイヤだっ。こんなことを言っている人には、まだまだ学ぶことがたくさんあるのだろうなあと思いつつ、ぼちぼちやっていこうと思う。

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2006.02.17 01:17 | 経験からのお話 | トラックバック(0) | コメント(3) |

コメント一覧

けーじさん、今晩は。
今月、私の中のテーマは「被害妄想」です。
いつでも、どこでも見つければ見つかる「モンスター」ですが、とにかく今月のテーマ・・・自分の中に隠しこんでいる「被害妄想」を見つけて、ひとつづつ「さようなら・・」と棄てていくことが目標です。
結局、私たちの苦しみの多くは「自分が創っている」のでしょうね。
私にとっての「被害妄想」は、自分の完ぺき主義からくるプライドが立ち直れなくなってしまった時の「自分への言い訳・他人への防衛手段」・・・気持ちがトゲトゲして、そのトゲで自分を守れるつもりになっている・・その間違いですよね。
でも、間違うから・・学ぶことも多い・・と、私も思っています。
たぶん、一生学んでいくんでしょうね。
本当、お互い先は長いぞ!ボチボチやっていきましょうね。

「引っ越すことを決め、新しい場所を探し、引っ越し先も決まった。」けーじさんのその行動力に感謝です。私も元気がでてきます。
「頑張りすぎ」ないで、頑張ってください。

2006.08.29 01:24 URL | りつこ #- [ 編集 ]

けーじさん、こんばんは。
けーじさんも、自分にきびしいなぁ。やっぱりプロになる厳しさを感じます。そして自分も頑張らなくちゃっと刺激をいただいてます。

>アップダウンの激しいこんなジェットコースターに乗っていても、すぐに効く酔い止め薬があったらな~と思う。

そうですね。私も今、色々探したり試したりしています。手探りで掴んだものが以前のパターンだったりして、余計に落ち込んだり(苦笑) 
でも、そうやって色々試しているうちにだんだんと揺れ幅が小さくなっていくと思うんです。そして確固とした目標や夢を持てるようになれば、そのことを実現しようと頑張れるので、大きな夢と短期間限定の小さな目標を設定しようかなって思っています。スイーツなどのご褒美でもつけて。

>ぼちぼちやっていこうと思う。

そうそう!ぼちぼちやっていきましょう!こういうとき、関西弁っていいなーって思います。言葉だけでも…まったり、のんびりでええやんかぁ。

2006.08.29 01:25 URL | 美奈 #- [ 編集 ]

りつこさん>
 こんばんは。コメントいつもありがとうございます。このモンスター。確かに半分は、被害妄想として自分が創り出していると感じます。自分の反応もトゲトゲしくなり、過敏になっていると思いますから。一方でもう半分は、自分の被害妄想でなく、相手や環境は変わらなくて、確かにそこにあるものだと思っています。みんなが作る、あるいはその場所が作る雰囲気はそれ自体パワーを持っているので、それからの影響を受けているのでしょう。

 最初は自分の体験への反応が、自分にこうした感情を負わせているのだと思っていました。でもある日、同じ種類のモンスターを体験している南アメリカ出身のクラスメートがいると知ったのです。彼女はアメリカで結婚して子供もいるため、もう20年ほどこちらに住んでいます。彼女の場合は語学には問題は全くなかったのですが、同じ孤立感、そして場所から来る得体の知らないプレッシャーに悩まされていました。最初体験をシェアする機会があったときには(彼女があるクラスで、勇気を振り絞ってみんなの前で暴露したのですが)、とても驚きました。こんな経験をしているのは、学校の中で僕だけだと思っていましたから。このモンスターの、言葉に表せない行間を、見事にその方と話し、感じたときに埋めることができたのです。なんだかわからないけど、言葉にできないけれど、そこにあるものとしてお互いに納得できたのです。その時はとてもほっとしました。僕の学校が持つ、ある人を必要以上に神経質にさせるモンスターがあるわけです。

 また、人の相性で合う合わないがあるように、どうしてもこの人とは合わない。そんな人がいても不思議はありません。今までは何とかやってきたけど、新しい人が入るなどで、家の中でのエネルギーのバランスが崩れることで、その質が変わります。そんなとき、そのアンバランスはそこにあります。

 もちろんこうしたものは、自分が創り出しているのだと思いますが、妄想だけではないというのが実感です。自分がそうしたものから距離を保つなどして、うまくやる方法がある場合はいいのですが、物理的に距離をとれない場合、またそれから自分を防御する方法を知らない場合に、この自分と相容れないエネルギーが入ってきます。自分が高いモチベーションを持っているときは大丈夫なのですが、そうでない場合には直接影響を受けてしまいます。僕は鬱を持っている人は、自分の被害妄想だけではないと思います。原因は分かりませんが、その人が、見えないエネルギーを外部からもらう影響もあると思うのです。

 引っ越しはそこにあるものから、距離をとる最善の方法でした。よりこうしたことに対処できるようになりたいなあと思いながら、見えないけれどそこにあるものと、そのエネルギーに最近特に注目してます。

 美奈さん>
こんばんは。自分に厳しいですか?しんどいときにはしんどいと声をあげたり、弱音吐いたりしてますけど。。。僕はまだ自分の体験していることを、美しい言葉だけで飾れるにはほど遠いですよ。でも大丈夫。最後には何とかなってます。何とかすることはもう固く決めてますから。あとはそのプロセスをもっと軽くしたいですねえ。いつも光を選択できますように。

2006.08.29 01:27 URL | けーじ #- [ 編集 ]

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