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胸へのワーク

友人のブログ(こいちなかロルファーユキが行く!)で、胸へのワークについて話題が出たので、今日はそれについて触れてみたいと思います。ロルフィングでは、女性は胸へ水着をつけますが、僕がやっているマッサージオイルやローションを扱うタイプのボディーワークでは、水着は身につけません。ブランケット(薄手の毛布)とシーツの下は素肌です。

 胸の辺りにワークするときに、男性へのワークはしやすいけれど、じゃあ女性へはどうなの?という疑問にお答えしつつ、胸へのワークを紹介したいと思います。女性セラピストが女性クライアントにワークすることは頻繁に聞きますが、男性セラピストが女性クライアントにこのタイプのワークするという話はあまり聞かないですから。
 胸には、Pectoralis Major,Pectoralis Minorという筋肉があります。ボディービルダーがピクピク動かすあの胸の筋肉です。もちろん、女性も乳房の下には、これらの筋肉があります。

 この筋肉、とっても重要なんですよ。見かけじゃなくてね。例えば、猫背の人を例にしましょう。猫背姿勢になりやすい方は、「背中をピンと真っ直ぐにしなくちゃ。」なんて考えがちですが、こういうふうにも考えてみてほしいのです。「胸をしっかり広げてオープンにしなくちゃ。」

 背中が丸まるというのは逆に言うと、胸が縮こまることなんですね。背中の筋肉がストレッチされて、胸の筋肉が縮んでしまうんです。背中、胸、どちら側の筋肉も固くなります。また背中が丸まると、腕も前方へ内転します(Rounded Shoulder)。

 コンピューターに前傾姿勢で長時間座る人。運転をしているときに緊張で縮こまる人。肥満体型の方が、お腹の脂肪が邪魔して腕を横へ降ろせない結果、腕を前に持ってくる姿勢。10代の女性が胸の発達を気にして胸を隠そうとする姿勢をとる結果、肩が丸まってしまう。またぜんそくを持ちの方、トラウマを持っている方。などなど、胸の筋肉が固くなってしまう原因はたくさんあります。

 それが姿勢に現れます。また症状として、肩こり、頭痛などにも現れる可能性があります。この緊張をといて姿勢を正すには、胸のワークは欠かせません。胸の筋肉を解きほぐしてあげるのです。

 さて、前書きが長くなりましたがワークをするときの話に移りましょう。セッション前に、男女関わらず必ずする質問の中の一つです。胸に関する質問だけ例に挙げます。

 「胸の辺り(手でどの辺りかをなぞります。もちろん乳房の脂肪の部分には触れません。)をワークするときに、二つの方法の内、一つを選んで頂いています。シーツ(長方形のタオル型)で覆う場合と、覆わない場合。クライアントによって、シーツで覆うのを好む方、覆わないほうを好む方がいらっしゃいます。どちらにされますか?」

 ここでは女性のクライアントの反応についてとりあげてみましょう。ここでの場合、クリニックで出会うクライアントは初対面な方ばかりです。

パターン1。
 「じゃあ、シーツで覆ってもらえるかしら。」という場合。「分かりました。」と了解します。ワークする前には、「それでは、このシーツで胸を覆いますからね。」と大きなシーツを腰まで降ろしながら、小さなシーツで胸をすっぽり覆う技術を使います。お腹をワークするときには、大きな体全体を覆っているシーツを腰まで降ろさなくてはなりませんから、そのときに長方形のタオル型のシーツ(枕カバー)で胸を隠します。この作業中、胸(乳房の部分)は全く見えません。


パターン2。
 しばしば「どちらでも構わない」という返事を頂きます。この場合、あくまでもクライアントが快適な方を選んでもらう必要がありますから、よりコミュニケーションを深めます。「私にはどちらも変わりはないのです。このセッションはあなたのためのセッションですから、あなたにまず、心身共にセッションを通して快適に過ごしてほしいのです。あなたにとって快適と感じる方を選んで頂きたいのです。どちらになさいますか?」そうするともう一度考えたあと、クライアントはどっちがいいか選んでくれます。シーツで隠すことを選んだクライアントには「了解しました。」と言ってそのようにします。シーツで隠さない胸のワークを選んだ方には、「後で胸のワークをする前に、もう一度確認させていただきますね。」といってもう一度選択する機会を残します。セッション中に気分が変わるかも知れませんから。そうしたコミュニケーションを通して、クライアントが安全に、快適に過ごせる環境で包みます。

パターン3。
胸のワークをシーツなしで選択される方。慣れていらっしゃる方は、その快適さを知っていらっしゃいますから「シーツなしでお願いするわ」という方が多いです。また初めてでも、「シーツなしで構わないわよ」とおっしゃる女性クライアントも珍しくありません。シーツで覆わない場合、ワークする前にはもう一度必ず、「今から胸のワークをします。シーツを降ろしますけどいいですか?」ともう一度尋ねます。

パターン4。
これは、胸のワークを選択されない方。「わたしは胸のワークは遠慮させていただくわ。」とおっしゃる方もいらっしゃいます。主に年配の方がよく選択されます。他の質問で、「どこかあなたがワークされたくない体の箇所はありますか?」などの質問もします。

 こうして、クライアントに選択していただきます。非常に驚かれるかも知れませんが、クリニックで今までの経験上、だいたい半数か少しそれ以上の女性がシーツなしを選択されています。アメリカ人が日本人よりオープンであること、またアメリカ、ボルダーという開放的な土地柄にもよります。またセラピストが作る安全な環境、信頼できる環境にもよります。

 もちろん僕は日本人。最初、クラスで学んだ時には、胸のワーク自体にとっても緊張しました。「ええーっ!そんなんできません!」なんて思っていました。文化がその人に与える影響というものは大きいのです。

 胸へのワークを学びたての頃、あるクラスで僕は女性のクラスメートに尋ねました。「胸をシーツでカバーして練習させてね」といって練習させてもらいました。でも練習後の意見交換時にこう言われました。
 
 「私はシーツなしで、ワークしてほしかったわ。シーツがあったら、届かない場所がでてくるでしょ。手の圧も弱くなってしっかりストレッチできなくなる部分が出てくるし。分かるでしょ?」

 それを聞いて僕は反省したのでした。

 「ああ、そうか。選択肢はいつもクライアントにあるべきなんだ。」問題は自分の中にあったのでした。どうにか自分の緊張をなんとかしないと。自分の中に緊張と、恥ずかしいと感じる偏見がなくなるまで、先生に見てもらいながら、何度も何度も胸をシーツでカバーする技術を練習しました。また、女性のクラスメートに頼んで、カバーなしで胸のワークを練習させてもらいました。それが自分にとって、自然になるまで。

 特に男性セラピストにとって、こうした技術とコミュニケーション力、細心の注意は欠かせません。現実的にはリスクも背負います。本当は胸をシーツでカバーした方が安心です。実際に、ある真面目なセラピストが、彼のクライアントに訴えられて裁判沙汰となり、免許を取り消しにされた、という例が過去にあったというのをクラスの中で先生から聞かされました。

 彼はいつものようにワークしていたようなのですが、彼のオイルボトル(腰のところにポーチのようなものでぶら下げる)がクライアントの乳房のところに当たってしまった、というようなことを言っていました。失敗は誰にでもありますが、運が悪かったのか、はたまた何か意思伝達が不十分だったのか。

 では、リスクがあるからといって、クライアントの選択肢を消せばいいかというと、そうは思いません。

 クライアントをBody, Mind, and Spirit としてのかけがえのない全体としてとらえるときに、そこに文化的な偏見、個人的なエゴ、そうしたものはワークに入ってくるべきではないのです。こうした偏見を取り除くことができたときに、セラピストは、クライアントが「ここは安全だ」「安心して任せられる」と感じられる空間を創造できるのです。もちろんそうなるまでには、知識、練習、そして経験が必要でした。今もより安全で、より快適な場所になれるように努力しています。

 実際に男女の違いはあります。文化的な違いもあります。しかし、違いは存在しながらも、それを超えたところにあるのが、真のヒーリングとしてのボディーワークだと思うのです。

 日本人の方がこういった話を聞いたときには、ビックリ仰天されるかもしれませんね。

 長々となりましたが、今日は胸のワークについてでした。
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2005.11.23 15:45 | カラダ | トラックバック(0) | コメント(2) |

コメント一覧

こんにちは。
>10代の女性が胸の発達を気にして胸を隠そうとする姿勢をとる結果、肩が丸まってしまう。
そうそう。経験ありますよ。この記事を読ませていただいて、自分自身の問題に気づきました。ありがとうございます。

ボディワーカーとしての心得も、とても勉強になります。胸へのワークに限らず、クライアントさんとの関係がとても大切ですね。もし自分が同じような仕事にたずさわることができたら、安心して見も心もなげだせるそんな場所を個々のクライアントさんと共につくっていきたいと思います。

2006.08.28 15:59 URL | 美奈 #- [ 編集 ]

 長~い記事を読んでくださってありがとうございます。コミュニケーションや、道徳などもクラスで学びますが、最近やっと「一安心」と自分が感じるところまで、経験がついてきたなあと感じています。

 特にこのトピックは書く側としても、多少勇気がいるので今まで延ばし延ばしになって紹介してこなかったのですが、こうして体験をシェアできてやっぱりよかったと思います。感想ありがとうございました。 

2006.08.28 16:00 URL | けーじ #- [ 編集 ]

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